モーツァルト・カフェ|名曲・おすすめ作品・エピソードなど

不世出の天才作曲家W.A.モーツァルト。その名曲・代表作・おすすめ作品をはじめ、生涯や音楽上のエピソードなどをご紹介します。

弦楽四重奏曲 第14番 ト長調 K.387 "春" (ハイドン・セット第1番)

先に「モーツァルトの弦楽四重奏曲」でご紹介した通り、ヴォルフガングは1770年、14歳の時に、最初のイタリア旅行の道中、ローディという土地で、このジャンルにおける第1作「ト長調 K.80(73f)」を作曲しました。さらに、1772年に行った第3回イタリア旅行の…

ピアノ協奏曲 第19番 ヘ長調 K.459 "第2戴冠式"

1781年、モーツァルトは、長年さまざまな面で対立していたザルツブルク大司教ヒエローニュムス・コロレードと完全に決別し、故郷を去ってウィーンへ居を移しました。それ以降はフリーの音楽家として、作曲の他、楽譜の出版やレッスンにより生計を立てていま…

Mozartゆかりの都市(3)―リンツ

ヴォルフガングにとって初めての旅行となったミュンヘン訪問からザルツブルクへ戻ったほぼ半年後の1762年9月18日、モーツァルト家は再び、今度は母親を含めた全員で旅路に上りました。その目的地は、音楽の都ウィーン。交通の発達した現在では、ザルツブルク…

交響曲 第41番 ハ長調 K.551 "ジュピター"

前記事でご紹介した「クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581 "シュタードラー"」が世に出る一年前の1788年、モーツァルトはほぼ同時に、俗に「三大交響曲」とも呼ばれる三つの交響曲を書き上げました。「第39番 変ホ長調 K.543」「第40番 ト短調 K.550」そして…

クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581 "シュタードラー"

芸術家には、その作品に創造時の心理や感情、さらにはその根底となる私生活の状況や出来事などが強く反映してしまうタイプと、あまり、あるいははほとんどそれの感じられないタイプがあります。芸術家も人間である以上、どちらかと言えば前者の方が普通と言…

ヴァイオリン・ソナタ

今回は、モーツァルトの「ヴァイオリン・ソナタ」についてご紹介したいと思います。現代の慣習に従い「ヴァイオリン・ソナタ」といったものの、モーツァルトの時代には、これは「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ」、あるいは「ヴァイオリン伴奏つきのピ…

Mozartの出会った人々(4)―ゴットフリート・ファン・スヴィーテン(男爵)

ゴットフリート・ファン・スヴィーテン男爵―と言っても、あまり一般には知られていない名前かもしれません。しかし、ミロス・フォアマン監督の手になる映画「アマデウス」の中の次のシーンを記憶されている方は少なくないのではないでしょうか?お目通りを許…

レクイエム K.626

モーツァルトの宗教音楽が質・量ともに充実していること、しかし惜しいことにそれらの演奏される機会は現在ではそれほど多くないことを前記事で述べました。そして、その唯一の例外として、「レクイエム ニ短調 K.626」を挙げることができ、この曲については…

宗教音楽

モーツァルトは、25歳でウィーンへ移住するまで、ザルツブルクの宮廷音楽家として活動しました。先に「Mozartゆかりの都市(1)―ザルツブルク」でもご紹介したように、ザルツブルクは現在のヴァチカン市国と同じ教会国家であり、領主はカトリック教会の大司教…

オペラ

この辺りで、モーツァルトの作品群の中でももっとも華やかなジャンル、オペラを取り上げたいと思います。モーツァルトがはじめてオペラを作曲したのは1767年、わずか11歳のときのことです。この作品は「アポロとヒアチントゥス(Apollo et Hyacinthus K.38)」…

Mozartゆかりの都市(2)―ミュンヘン

息子ヴォルフガングの音楽の天才に気付いたレオポルトは、これを育み開花させることを神から与えられた自分の使命と考え、早くからその実践に取り掛かりました。音楽そのものはもちろん、音楽家として世を渡っていくのに必要な一般教養についても、幼いヴォ…

弦楽四重奏曲

モーツァルトの作品のなかで、派手さはないものの極めて重要な位置を占めるジャンル…と言えば、それは弦楽四重奏曲でしょう。モーツァルトは、全部で23曲の弦楽四重奏曲を残し、作曲年代は1770年から1790年にわたっています。因みに、他の弦楽室内楽曲として…

ピアノ・ソナタ

ピアノの名手でもあったモーツァルトが手がけた、この楽器のための作品としてもっとも有名なものは、いうまでもなく協奏曲ですが、彼が残した18曲のソナタも忘れるわけにはいきません。前記事「ソナタ―作品と形式」でご紹介した通り、ピアノ・ソナタは、ピア…

ソナタ―作品と形式

クラシック音楽に関する紹介や解説において、「ソナタ」という言葉をよく目にするかと思います。もちろん、その意味内容を知らなくとも、クラシック音楽を愉しむことはできるわけですが、知ることでさらに視界が開け、視野が広がることもあるでしょうし、何…

アイネ・クライネ・ナハトムジーク K.525

アイネ・クライネ・ナハトムジーク(セレナード第13番 ト長調 K.525)は、モーツァルトの数多の作品の中でも最も知られた曲の一つでしょう。特に、第一および二楽章の主題旋律はあまりにも有名で、ほぼすべての人の耳に深く記憶されているのではないでしょうか…

セレナード

セレナードは、各国語でserenade(英), Serenade(独), serenata(伊)と書き、セレナーデ、セレナータなどとも発音されます。もともと、セレナードは、夜、恋人の住む家の窓の下から、その愛しい人に捧げて歌われ、また演奏された音楽を指していましたが、18世…

Mozartの出会った人々(3)―コンスタンツェ・ウェーバー・モーツァルト

「音楽家の三大悪妻」をご存じでしょうか?ヨーゼフ・ハイドンの妻マリア・アンナ・アロイジア・ケラー、モーツァルトの妻コンスタンツェ、そしてチャイコフスキーの妻アントニーナ・イヴァノヴナ・ミリューコヴァです。一方、より広い範囲の「世界三大悪妻…

ピアノ協奏曲

モーツァルトは、その生涯で27曲のピアノ協奏曲を残しています。「モーツァルトの弦楽協奏曲」でも少し書いたように、モーツァルトは作曲家としてだけではなく、演奏家(ピアニスト)としての顔も持っており、特にウィーンに定住してからは、自ら舞台に立つ演…

Mozartゆかりの都市(1)―ザルツブルク

モーツァルトは、その生涯のうち約10年、実に人生の4分の1以上を旅の空の下で過ごしました。そのため、36年という短い人生にもかかわらず、さまざまな都市を訪れています。そこで、モーツァルトと関係の深いヨーロッパ各地の都市を、彼が訪れた年代順に取り…

モーツァルト・セラピー(療法)

モーツァルト・セラピー(療法)という言葉をお聞きになったことはありませんか?これは、モーツァルトの音楽を聴くことにより、ストレスの解消や健康の増進、さらには病気の改善・治療までも実現しようとする療法(セラピー)のことで、ちょうど色によるカラー…

管楽協奏曲

今回は協奏曲の2回目として、管楽のための協奏曲を取り上げます。モーツァルトの管楽協奏曲は、ホルン協奏曲(4)、フルート協奏曲(2)、オーボエ協奏曲(1)、ファゴット協奏曲(1)およびクラリネット協奏曲(1)が、完全な形で現存しています(※カッコ内の数字は曲…

音楽の冗談 K.522

モーツァルトが非常に遊び心に富んだ人であったことは、彼が残した多くの手紙や逸話、そしてモーツァルトの作品そのものからもうかがい知ることができます。そのような遊びの精神に基づいて書かれた曲の一つが、「音楽の冗談(Ein musikalischer Spass) K.522…

Mozartの出会った人々(2)―アントニオ・サリエリ

ウィーンの夜の帳を引き裂く、「モーツァルト!」という叫びとともに、一人の老人が自殺を図る。精神病院に運ばれた彼は、自らをアントニオ・サリエリと名乗り、皇帝ヨーゼフ二世に仕えた宮廷作曲家であること、そして自分の人生が一人の天才作曲家によって…

弦楽協奏曲

協奏曲は、一つまたは複数の独奏楽器がオーケストラと競演する形で奏される楽曲です。一般に、協奏曲では独奏楽器が活躍する分、交響曲に比べて華やかなので、クラシック音楽にあまりなじみのない方でも比較的聴きやすいジャンルかもしれません。モーツァル…

速度記号と発想記号

前回、モーツァルトの「交響曲第29番イ長調 K.201」は・第一楽章:アレグロ・モデラート・第二楽章:アンダンテ・第三楽章:メヌエットとトリオ・第四楽章:アレグロ・コン・スピリートという構成であるとご紹介しました。これらはクラシック音楽ではよく目(…

交響曲

交響曲(シンフォニー)は、クラシック音楽のなかでもっともよく知られた楽曲といってよいでしょう。一般に、交響曲は4つ程度の楽章からなり、そのうち最低1つがソナタ形式(これについては今後追ってご説明する予定です)をとります。テンポの速い楽章を急、遅…

モーツァルトの作品ジャンル

クラシック音楽の楽曲は、大きく声楽曲と器楽曲に分けられます。声楽曲というのは、文字通り人の声(歌)を伴った曲であり、器楽曲は楽器だけで奏されるものです。そして、これら二つは、いくつかの視座からそれぞれさらに細かく分類されます。初めに、器楽曲…

Mozartの出会った人々(1)―レオポルト・モーツァルト

36年に満たない年月をこの世に送っただけで、その生涯を閉じてしまったモーツァルト。しかし、その間に数多の人々と出会い、さまざまな交流を通じて、天与の才に一層の磨きがかけられました。そんな人々の中で、最も大きな影響を受けた人物は、父親レオポル…

モーツァルトの最高傑作―ピアノと管楽のための五重奏曲 K.452

さて、今回のテーマは「モーツァルトの最高傑作」としました(些か釣りタイトルの感はありますが……)。もちろん、芸術の価値を数値として評価することはできないので、モーツァルトの作品の中でどれが一番優れているかを客観的・絶対的に決定することなど不可…

フォルテピアノ(ハンマークラヴィーア)

現代のわれわれにとっては、モーツァルトは作曲家です。これは今さら申し上げるまでもないでしょう。しかし、彼が生きた当時に視点を置いた場合、作曲家としてだけではなく、ピアニストとしての活動も無視することはできません。幼少時の、父レオポルトに連…