作品ジャンル
今回は、モーツァルトの「ヴァイオリン・ソナタ」についてご紹介したいと思います。現代の慣習に従い「ヴァイオリン・ソナタ」といったものの、モーツァルトの時代には、これは「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ」、あるいは「ヴァイオリン伴奏つきのピ…
モーツァルトは、25歳でウィーンへ移住するまで、ザルツブルクの宮廷音楽家として活動しました。先に「Mozartゆかりの都市(1)―ザルツブルク」でもご紹介したように、ザルツブルクは現在のヴァチカン市国と同じ教会国家であり、領主はカトリック教会の大司教…
この辺りで、モーツァルトの作品群の中でももっとも華やかなジャンル、オペラを取り上げたいと思います。モーツァルトがはじめてオペラを作曲したのは1767年、わずか11歳のときのことです。この作品は「アポロとヒアチントゥス(Apollo et Hyacinthus K.38)」…
モーツァルトの作品のなかで、派手さはないものの極めて重要な位置を占めるジャンル…と言えば、それは弦楽四重奏曲でしょう。モーツァルトは、全部で23曲の弦楽四重奏曲を残し、作曲年代は1770年から1790年にわたっています。因みに、他の弦楽室内楽曲として…
ピアノの名手でもあったモーツァルトが手がけた、この楽器のための作品としてもっとも有名なものは、いうまでもなく協奏曲ですが、彼が残した18曲のソナタも忘れるわけにはいきません。前記事「ソナタ―作品と形式」でご紹介した通り、ピアノ・ソナタは、ピア…
セレナードは、各国語でserenade(英), Serenade(独), serenata(伊)と書き、セレナーデ、セレナータなどとも発音されます。もともと、セレナードは、夜、恋人の住む家の窓の下から、その愛しい人に捧げて歌われ、また演奏された音楽を指していましたが、18世…
モーツァルトは、その生涯で27曲のピアノ協奏曲を残しています。「モーツァルトの弦楽協奏曲」でも少し書いたように、モーツァルトは作曲家としてだけではなく、演奏家(ピアニスト)としての顔も持っており、特にウィーンに定住してからは、自ら舞台に立つ演…
今回は協奏曲の2回目として、管楽のための協奏曲を取り上げます。モーツァルトの管楽協奏曲は、ホルン協奏曲(4)、フルート協奏曲(2)、オーボエ協奏曲(1)、ファゴット協奏曲(1)およびクラリネット協奏曲(1)が、完全な形で現存しています(※カッコ内の数字は曲…
協奏曲は、一つまたは複数の独奏楽器がオーケストラと競演する形で奏される楽曲です。一般に、協奏曲では独奏楽器が活躍する分、交響曲に比べて華やかなので、クラシック音楽にあまりなじみのない方でも比較的聴きやすいジャンルかもしれません。モーツァル…
交響曲(シンフォニー)は、クラシック音楽のなかでもっともよく知られた楽曲といってよいでしょう。一般に、交響曲は4つ程度の楽章からなり、そのうち最低1つがソナタ形式(これについては今後追ってご説明する予定です)をとります。テンポの速い楽章を急、遅…
クラシック音楽の楽曲は、大きく声楽曲と器楽曲に分けられます。声楽曲というのは、文字通り人の声(歌)を伴った曲であり、器楽曲は楽器だけで奏されるものです。そして、これら二つは、いくつかの視座からそれぞれさらに細かく分類されます。初めに、器楽曲…
今回は変奏曲についてご紹介します。便宜上、本稿を「作品ジャンル」カテゴリーに入れたものの、変奏曲とは、楽曲のジャンルの一つというより、曲の形式の一種を示す言葉で、ある旋律を「主題」として初めに提示し、さらにその主題をさまざまに変化させた「…